はり灸治療の概要
はり灸は、古代中国に端を発する伝統医学です。日本に伝来して以降、私たちの身体や気質に合わせ、繊細かつ独自の進化を遂げてきました。長い歳月をかけて磨き上げられたその技は、今もなお日々の健康を支える知恵として受け継がれています。
はりについて
鍼の刺し方はツボによってさまざまで、数ミリ刺す場合もあれば、触れるだけの場合もあります。
髪の毛ほどの細い鍼を「鍼管(しんかん)」という筒に入れ、トントンと叩くので、痛みはほとんど感じません。
お灸について
当院のお灸は、症状や目的に合わせて使い分けます。
「透熱灸(とうねつきゅう)」
「知熱灸(ちねつきゅう)」
「灸頭鍼(きゅうとうしん)」
熱の力を自在に操り、体の過不足を整えます。
経絡治療(けいらくちりょう)について
当院では、中国の伝統的な鍼灸治療術を日本人に合うようにアレンジした「経絡治療(けいらくちりょう)」を採用しています。
東洋医学では、気や血が「経絡(ツボのルート)」という通り道を通って全身をめぐるとされています。
この流れが滞ると一部に負担がかかり、痛みや不調が生じると考えます。
ツボを使って経絡の流れを調整し、からだ全体の調和を取り戻すことで 症状の根本改善をめざします。
痛みの少ないやさしい刺激で、 からだの内側から整えることで、心もからだも軽くなるような治療を心がけています。
WHO報告と現在の鍼灸の位置づけ
1979年、世界保健機関(WHO)の専門家によって43疾患に対して鍼治療が推奨されました。
近年は、頭痛、腰痛、頚肩腕の症状、膝痛、月経痛、機能性消化管障害、睡眠・自律神経症状などで、鍼灸が補完療法として有用とされる報告が増えています。
がん医療でも、痛みや倦怠感、不眠などの緩和ケアの一環として活用が進んでいます。
参考:国立がん研究センター 鍼灸セミナー資料(2024) / WHO地域間セミナー報告(1979) / NIH Consensus Statement(1997)