施術内容

鍼灸(経絡治療)

東洋医学では、気や血が「経絡(けいらく)」という通り道を通って全身をめぐるとされています。 この流れが滞ると一部に負担がかかり、痛みや不調が生じると考えます。

当院では、経絡の流れを整える経絡治療を中心に、からだ全体の調和を取り戻すことで 症状の根本改善をめざします。髪の毛ほどの細い鍼を用い、痛みの少ないやさしい刺激で、 からだの内側から整えることで、心もからだも軽くなるような治療を心がけています。

小児はり

小児はりは、刺さない専用器具で皮膚をやさしくなでたり押したりし、気の流れを整える施術です。 痛みはなく、赤ちゃんから小学生まで受けられます。

夜泣き・かんむし・おねしょ・便秘・食欲不振など、成長期に見られる不調を、 東洋医学では「気の巡り」や「五臓の未熟さ」としてとらえます。 小児はりはその働きをやさしく整え、健やかな発育を助けます。

鍼灸で対応できる主な症状

鍼灸は、滞った巡りを整えて本来の自然治癒力を引き出す療法です。 慢性的な肩こり・腰痛・神経痛・リウマチ・五十肩・むちうち・自律神経の不調など、 日常生活に支障をきたす症状に幅広く対応します。

ぎっくり腰などの急な痛みには、炎症や筋肉のこわばりをやわらげ、 気血の流れを回復させて早期の改善を図ります。

五臓六腑と体質のバランス

症状は部分の問題だけではなく、体質や内臓の働きとも関係します。東洋医学では次のように捉えます。

  • 肝(かん):血を蔵す。イライラ・張った肩こり・月経前の不調などと関係。
  • 脾(ひ):消化吸収を担う。疲れやすさ・むくみ・食欲不振などと関係。
  • 腎(じん):生命力の源。冷え・腰の不調・足のだるさ・頻尿などと関係。

人のからだは「気(き)・血(けつ)・水(すい)」がめぐり、 「五臓六腑(ごぞうろっぷ)」がそれぞれの働きを保つことで健康が保たれると考えます。

気は生命のエネルギー、血は全身を養う栄養の流れ、水はうるおいをもたらす要素。 これらのバランスが崩れると、痛み・こり・しびれ・冷え・疲れ・不眠・自律神経の乱れなど さまざまな不調として現れます。

当院では、姿勢・生活習慣・体質・内臓の働き・気血水の巡りを総合的に評価し、 全身のバランスを整えることで再発しにくい、しなやかな身体づくりをサポートします。

WHO報告と現在の鍼灸の位置づけ

1979年、世界保健機関(WHO)の専門家によって43疾患に対して鍼治療が推奨されました。

近年は、頭痛、腰痛、頚肩腕の症状、膝痛、月経痛、機能性消化管障害、睡眠・自律神経症状などで、鍼灸が補完療法として有用とされる報告が増えています。がん医療でも、痛みや倦怠感、不眠などの緩和ケアの一環として活用が進んでいます。

当院の方針

当院では、科学的知見を踏まえつつ、東洋医学的な評価(気・血・水、経絡、体質)を重視し、痛み・こり・しびれ・自律神経や睡眠の乱れ、消化器の不調など、日常生活に関わる症状に対して施術を行っています。

安全で穏やかな施術について

当院では、すべての施術で安全性と快適さを大切にしています。使い捨て鍼の使用や衛生管理を徹底し、体質や症状に合わせて刺激量や施術部位を丁寧に調整します。

刺激を強く与えることを目的とせず、からだが自然に回復しやすい状態へ整えることを重視しています。

参考:国立がん研究センター 鍼灸セミナー資料(2024) / WHO地域間セミナー報告(1979) / NIH Consensus Statement(1997)

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