治療の方法
東洋医学ではおおもとの原因(体の弱り・歪み)に働きかける治療のことを「本治(ほんち)」といい、歪みの結果として出ている症状を治療することを「標治(ひょうち)」といいます。
本治は、問診・脈診・舌診・腹診から導き出された証(東洋医学的診断)によって決まったツボにアプローチします。
標治は主に症状が出ている場所を治療します。
両方にアプローチすることで根本的な治療につながります。
仰向けでツボに鍼をします(本治)
はじめに、仰向けで鍼をしていきます。
弱っている部分を補い、からだ全体のバランスを整える大切なステップです。
本治(ほんち)で体のバランスを整えます。
手足にある「要穴(ようけつ)」(特に重要なツボ)に鍼をします。
経絡(ツボのルート)の走っている場所で鍼をする深さが変わります。
浅いツボは皮膚に触れる程度、深いツボでも3~5ミリ程度です。
標治(ひょうち)「置鍼(ちしん)」
患部の治療はさまざまで、はりと灸を用途によって使い分けます。
うつ伏せになり、全身に鍼をして10分くらい置きます。
これによって、全体の気の流れがよくなり、症状が改善しやすくなります。
首の後ろの「天柱(てんちゅう)」や「風池(ふうち)」などから、背中〜腰〜ふくらはぎまで12本〜20本程度鍼をします。
(鍼の太さは0.12〜0.14mm、刺す深さは1〜2mm程度です。)
体の弱りが強い場合などに、置鍼はせず、
接触鍼(鍼を触れるだけ)で対応することがあります。
「透熱灸(とうねつきゅう)」
もぐさをお米の半分くらいの大きさにひねったものを直接皮膚に乗せて線香で火をつけて燃やします。
ツボに熱を入れるやり方で、冷えや、弱りに使うことが多いです。
鍼灸師の指で流れる空気をさえぎって熱を調整するので、やけどをすることはありません。
お灸は、体質やそのときの状態に合わせて必要な場合に行います。
「灸頭鍼(きゅうとうしん)」
鍼を深めに入れ、その鍼の上に炭のお灸をのせてあたためます。
主に、慢性的な腰痛で、腰やおしりの奥にある固いこりをやわらげたいときに使う方法です。
置鍼と同時に行います。
(鍼の太さは0.22〜0.24mm、刺す深さは2〜5cmほどで、体の厚みによって調整します。)
※刺激の強い方法です。強いこりがない場合や、からだの元気が落ちている場合、深い鍼が苦手な方には行いません。
「知熱灸(ちねつきゅう)」
少し粗めのモグサ(茎や繊維が残ったタイプ)で作ったお灸です。
燃える温度が高いので、皮ふの表面にじんわり汗をかかせて、こもった熱を外へ逃がすことをねらいます。
こりがあるところや、熱がこもっているところなど、体のいろいろな場所に広く用いられます。